電気には大きく分けて「直流」と「交流」があります。
「直流」でイメージするのは、車やバイクに使われるバッテリーや乾電池、ACアダプタなどから供給される電源です。電気の流れる方向が一方通行で電圧は常に一定です。
乾電池は1.5V、自動車のバッテリーは普通12Vですね。(図1参照)
もっとも電池(バッテリー)の場合、使っているうちに電圧は次第に低くなってきます。
一方、「交流」は絶え間なく電気の流れる方向が変わっていて、交互通行といったところでしょうか。
一般的な家庭やオフィスの「コンセント」から供給されるような電源です。(図2参照)
しかし、そもそもなぜ電気には直流と交流が存在するのでしょうか。
少し、歴史にも触れてみましょう。
ご存知の方も多いと思いますが、エジソンが発明したと言われる白熱電球、そう、発光部に日本の竹を使用したというものですね。
この白熱電球は当時、直流で点灯されていました。直流という電気は、1799年イタリアのボルタという人が電池の製作に成功しています。
それまで電気は静電気を利用していたため、(電池のように)安定した電気を得られるようになったことはとても画期的なことでした。
以来、様々な実験や研究の場では、この電池が使われるようになり、いろんなものが発明されました。
しかし、電池はすぐに消耗し、長時間の点灯には膨大な費用が必要だったために、今日のような電力の配電ネットワークを構築するほどのインフラ整備には至りませんでした。
そんな中、ニコラ・テスラという人が、電力配電を経済的に有利な交流(電圧が高いほど送電線から熱として失われる電力が少なく、効率が良い)で行うという考案をします。
当時、直流で電球と電力を販売する事業を展開していたエジソンにとっては敵対するものでした。
「直流」対「交流」の「電流戦争」というものも繰り広げられたそうですが、結果として交流方式が認められるようになりました。
このようにして、電気にはもともと直流という考えしかなかったものが、社会の必要性から経済的で安定した電力供給が可能な交流というものが生み出され、一気に普及したたわけです。